合言葉は「LOVE&PEACE」心が通じ合う世界を目指して。
「シアワセの連鎖~幸せな動物たちから、幸せを探している動物たちへ」をコンセプトに、ペットの撮影会やチャリティ-ワークショップを通じて動物愛護団体の支援を行なうプロジェクト『petomoni(ペトモニ)』。今回は「LOVE&PEACE」を目標に掲げ、ペットと人間教育に特化したサービスを手がけるPERRO株式会社の大久保羽純さんをゲストに迎えて愛犬との撮影会を実施。ドッグトレーナーの顔を持つ大久保さんとpetomoni(ペトモニ)メンバーを交えてトークセッションを行なった。
【Profile】
▼大久保羽純
PERRO株式会社代表取締役/SUNNY Dog Training Partnerドッグトレーナー/
P-ALIVE代表
ペット業総合B2B2Cコンサルティングとして、ペットに関するサービスやイベント開催などを行なっている。前職は東証一部上場 製薬会社トップクラスMR。さらに国際ライセンスCPDT-KA所持ドッグトレーナーの顔を持ち、ペット関連セミナーの講師も務める。
▼高野裕二
フォトグラファー/株式会社スタジオタカノ代表取締役
米国留学後、バックパッカーとして18カ国を旅する。家族写真、学校写真を中心にフォトグラファーとして活躍。2018年、滝川クリステルが代表を務める『クリステル・ヴィ・アンサンブル』公式カメラマンとして記者発表会参加。全国の動物愛護団体に財団の取材班として同行。
▼天野綾美
動物看護師/マネージャー
動物看護科の専門学校を卒業後、都内の動物病院にて8年間「動物看護師」として勤務。看護主任を務める。知識や経験を活かして人と動物のより良い関係づくりの手助けをすると共に保護犬・保護猫の現状や殺処分について多くの人に知っていただきたいと願い、積極活動中。
日本は「私は幸せ」「愛犬がかわいい」と言いづらい?
高野:対談の前に大久保さんと愛犬のぺろちゃんを撮影させてもらいましたが、さすが慣れているなぁと思いました。
大久保:実はおしゃれな花輪(レイ)をかけてもらったのは初めてでびっくりしました。素敵なデザインですよね。
天野:小道具は手作りしているんです。
大久保:愛犬ながら「誰もがかわいいって言わないわけがない!」くらいかわいく撮っていただけてうれしいです(笑)。撮影現場の雰囲気が良くて、皆さんすごくいいチームですよね。かしこまった“ちゃんとしましょう感”がないのでリラックスできます。
高野:petomoni(ペトモニ)の撮影会では、飼い主さんが「ちゃんと犬をオスワリさせなきゃ」って気を使ってしまうんですよ。僕らの撮影は出会ったときから、別れるときまで撮る。背景とかセットからはみ出しててもいい、むしろはみ出してるのがいいみたいな、なるべくラフな雰囲気を心がけています(笑)。レンズを通してペットと飼い主さんを見てきて、だんだんペットへの愛情が強い人が増えてきたなと思っています。
大久保:私も犬との交流やトレーニング、家族のあり方を見てきて、変化を感じていますね。動物だけじゃなくて、海外の人、赤ちゃん、世代の違う高齢者の皆さんとも、心で通じ合える方法を持った人を増やしたいと思っています。それが目標に掲げている「LOVE&PEACE」につながっていく。
高野:人間も他の生き物も全部、地球規模で入っているんですね。そう考えたら「LOVE&PEACE」ってでかいですね!
大久保:そう思うのは高野さんの心がでかい証拠です(笑)。高野さんのpetomoni(ペトモニ)の活動も貴重ですよね。日本では家族写真を撮る機会が少ないじゃないですか。家族そろって撮らないなんてもったいない!
天野:私が猫を飼っていますが、猫と家族で撮った写真が1枚もないんです。そういえば猫だけの写真ばっかり……。
高野:確かにきっかけみたいなのがないかもしれない。今の幸せを記録に残すという文化が日本にはないのかもしれませんね。でも家に家族写真が飾ってある文化ってあったかいですよね。
大久保:海外ではうれしそうに家族の写真を見せてくれますよね。どれだけ家族を愛しているか一生懸命伝えようとしてくれるんです。
高野:petomoni(ペトモニ)の活動は、飼い主さんに「自分たちの幸せに気づいてほしい」っていうのもコンセプトの一つ。ペットの幸せだけじゃなくて、人のことも考えなきゃと思っているんです。人も幸せ、ペットも幸せ、みんな幸せ。そういう大きな幸せの輪を作るのが写真の役割でもあると思います。でも日本ではまわりに「自分が幸せ」って言いづらい雰囲気がありますよね。
大久保:本当はみんな言いたいんですよね。日本は謙遜の文化だから、飼い主さんも「うちの子はおバカで……」と言うものの、だんだん親バカ話が止まらなくなってくる(笑)。実はみんな幸せって言いたいんですよね。
高野:僕たちからどんどん言っていきましょう!
ペットと楽しく遊べる人は人付き合いも上手!
大久保:犬のトレーニングの分野でも変化が起きています。昔は犬が人の言うことを聞くかどうかの性能比べのようになっていたんですが、今は人と犬が一緒にどうやって楽しく暮らすかを考える方向になっています。これは犬に限らないですよ。天野さんのように犬や猫と上手に遊んだりできる人は、人とのコミュニケーションも上手なんです。
天野:ペットと無邪気に遊んでいるうちにお互い対等になれるというか、気楽な付き合いができるんですよね。人との交流にも役立っているのかもしれません。
大久保:それには「愛犬の笑顔が見たい」というところまで日本の文化が高まったことが大きいと思います。トレーニングは人と犬がお互い楽しむためのツール。「お伺い」と「お願い」が醍醐味なんです。犬に「今楽しい?」ってお伺いして「うん!」と答えてくれたら最高ですよね。犬に「爪を切らせてね」ってお願いして、終わったらごほうびで「ありがとう」を伝える。双方向のコミュニケーションの時代が来ました。
高野:犬のトレーニングは人付き合いと変わらないんですね。
大久保:高野さんや天野さんのpetomoni(ペトモニ)の活動も、方法が違うだけでやっていることは同じだと思います。
高野:犬のしつけは軍隊のように命令従わせるものだというイメージを持っている人もいると思います。
大久保:動物の中でも犬のしつけやトレーニングは特殊です。「犬に噛まれたら、ボスになりきれない飼い主が悪い」という説もありました。でも犬じゃなくてワニだったら? そう考えたらおかしいことがわかりますよね。
高野:わかりやすいたとえです(笑)。動物に限らず、世の中には多様性があって、いろんなルールがあるということですね。
大久保:人間の場合も同じです。日本では食事のときに席を立つのはお行儀が悪いと思われますよね。でも国や宗教が違えば、食事よりもお祈りの時間をとても大切にしていて、食事の途中でもお祈りを優先するのが当たり前。
高野:日本人の気質として、ルールを厳しくしてしまう文化があるかもしれない。最近は「生きづらさ」というワードが注目されています。これも自分で設定したルールで自分を生きづらくしてしまっている気もする。
大久保:もっと自由でいいんですよ、petomoni(ペトモニ)の皆さんみたいに(笑)。
高野:はい、超自由です!
撮影会を愛犬自慢とトレーニングに活用する
高野:大久保さんは今後も「LOVE&PEACE」の実現に向けて活動していくわけですが、描いている未来図はありますか。
大久保:心の成長につながることを考えていきたいと思っています。そのためには経験や体験が欠かせないんですね。そこでドッグトレーナーとしては、飼い主さんとワンちゃんがチームで課題を乗り越えるイベントをやりたい。しつけ教室の1時間では積める経験に限りがあるので、キャンプのイベントを主催したことがあるんですよ。犬を連れて参加できるから、「愛犬のために行ってみよう」とキャンプをしたことがない人や人見知りの人も来られたんです。犬の存在は人の行動を変えるきっかけにもなります。
高野:僕も考えてみたんです。オスワリができない犬がいたとして、たとえば1カ月後の成果発表のときに撮影するっていう目標設定をしてあげるのはどうでしょう?
大久保:そのアイデアはいいですね!
高野:トレーナーに1時間だけ教えてもらって終わりじゃなくて、継続的にトレーニングをすることが必要だと思うんですよね。オスワリの次はフセ、特技でもいいです。petomoni(ペトモニ)の撮影会を、人も動物も一緒にがんばって盛り上がれる機会にできたらおもしろいかなって。
天野:飼い主さんを撮影会に誘っても、「うちの子は上手にできる自信がない」と言われますからね。私たちは全然気にしなくても、飼い主さんは迷惑をかけてしまうのが心配みたいです。
大久保:飼い主さんは愛犬をかわいく撮ってほしいはずですよね。私も愛犬自慢をしたいです(笑)。撮影会という目標設定で飼い主さんのモチベーションが上がれば、ワンちゃんもかまってもらえるのがうれしくてがんばる。犬と仲良くなるためにトレーニングを活用してほしいと思います。スポットの当たる舞台には飼い主さんとワンちゃんがいて、われわれは黒子でいいわけですから。
高野:撮影会はシャッターを切る一瞬だけじゃなくて、たくさんの方々に参加してもらうために考えることが大切ですね。petomoni(ペトモニ)で大久保さんとコラボして「LOVE&PEACE」の考えを広げていきたいですよね。
大久保:私もこの素敵な雰囲気の中で、ぜひチャレンジしたいと思います。
高野・天野:今日はありがとうございました!
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